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紗智は俺の姉だ

 俺たちは二年前ふとしたきっかけで関係を持ってしまった。それは暗く寒い冬、月が静かに人々を睨んでいた。
昔から気性が荒く喧嘩っぱやい俺。それに対して姉は、小さい頃から人の面倒を見ることが好きで仕方ないといった感じで、まるで他人の喜びは自分の喜びだと言わんばかりの根っからの善人だった。そんな姉のように生きられる人間のことを俺は到底理解できなかった。俺はいつも自分一人が居るだけに足りるスペースを、それを奪い取ろうとする奴らと戦うだけでずっと必死だったのだ。
 姉はいつも優しい。その献身的な優しさに時折どうしようもなく苛つく。いや今もずっと苛ついているのかもしれない。こんなくだらない俺のことなんて気にするな。どっかいってしまえばいいのだ。何をしても幸せそうな姉、特に俺の怪我の手当てをしている時は怒りながらも実に幸せそうな仕草をするのだった。俺はそれに耐えられなかった。姉には背の高い心の大きな男こそ相応しい。小さい頃からずっとそう思っていた。
 ダチだと思っていた奴に裏切られ集団リンチを食らい、その反動でいつもの数倍と荒れていた俺に、姉はいつものように優しいかった。そのいつも通りの姉にいつものように苛つきながら俺はどす黒い感情が自分の中に湧き起こるのを感じた。俺は姉を突き飛ばした。目を細めたいつもの表情の姉の顔が網膜から離れない。
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John Stuart Smith

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